今、様々なECサイト作成サービスがあふれ、商品さえあれば個人が簡単にネット上に店を持つことができます。
ただ、それだけいろいろなサービスがあると、使うサービスの取捨選択を間違えてしまい、後から後悔してしまうケースもあるかと。
しかし、サービス自体は星の数ほど存在するものの、それらは大きく3つに分類できるはずです。
とりあえず、その3つの分類さえ間違えないようにすれば、後悔する可能性はぐっと押さえられるはずです。
何事にも大局観を持って取り組むことが大事ということですね。(笑)
今回の記事では、その3つの分類について説明するので、これからECサイトを作りたい!という人の参考になれば幸いです。
1.無料型ASP
ASPとは、ネット上でアプリケーションをレンタルするサービスの総称ですが、ここではあまり気にしないでください。
とにかく、無料でECサイトが簡単に作れるサービスをここでは想定します。
以下2つの有名なサービスがあります。
1−1 BASE
1−2 STORES.jp
私も試してみたのですが、本当に簡単に作れます。
①メアドの登録
②商品の登録
だけです。
で、なんとクレジットカードの決済も自動でやってくれます。
口座情報を登録しておけば、注文が入った際に自動で入金されます。
趣味感覚でお店を開くには、コストがかかりませんので、これらのサービスが一番オススメですが、ビジネスとして本格的にやりたい、という人には物足りないでしょう。
というのも、現在のところではこれらのサービス、あらかじめ決められたテンプレートや、ショップの機能でしかお店を作れません。
例えば、BASEを使って作られた下記ECサイトを見比べてみてください。
BASE作成例1
BASE作成例2
BASE作成例3
どれも似たようなページレイアウト、似たようなショップの機能になってしまっているというのは、そういうことです。
「ページの上部にこのテキストを入れたい」とか「このロゴを追加でこの位置に入れたい」とか、デザイン面での細かい変更ができないし、「商品ごとのユーザーのレビュー機能を付けたい」といったショップの機能の追加も、あらかじめ決められた範囲でしかできません。
ここが一番注意すべきポイントですが、とりあえず手軽に無料で始められるというのは大きく、趣味で始めるには良いサービスであると言えるでしょう。
2.有料型ASP
先ほどは無料ASPの紹介でしたが、次は有料サービスの紹介です。
月額でサーバー費用がかかってしまう分、無料ASPよりも機能が充実しています。
例えば、無料ASPではデザインのテンプレートが数種類しか選べなかったものが、有料ASPになると100種類以上から選べるサービスもあります。
HTMLとCSSの知識があることを前提に、自分でレイアウトや細かいデザインワークを設定してしまうことも可能なサービスもあり、その場合はデザインに関してはほぼ自由自在と言ってもよいでしょう。
ショップとしての機能面を見ても、商品カテゴリの細かい設定・階層化や、顧客管理システムやメルマガ配信など、追加料金がかかることもありますが、ある程度大規模なショップになることを想定した上での機能というものが充実しています。
かと言ってサーバープログラミングの知識が必要かというとそうではなく、管理画面からこれらの機能を一括で管理できるなど、オペレーションに慣れてしまえば初心者でも簡単にECサイトを運営することができます。
料金プランは数種類用意されており、商品登録数や使える機能などでプランが分かれていることが多く、最初は安いプランでスタートして、ショップの規模が大きくなってきたらリッチなプランに変更する、といったことも可能です。
安い業者の安いプランだと1,000円以内から始めることも可能で、クレジットカード等の各種決済機能もデフォルトで付いていることが多いです。
とりあえず、国内で実績のある有名な有料ASPのサービスを下記に紹介します。
料金や機能を比べて、自分に最適だと思うサービスを選択しましょう。
2−1 Eストアーショップサーブ
2−2 カラーミーショップ
2−3 おちゃのこネット
2−4 MakeShop
3.自社開発
さて、完全に自前でECサイトを開発してしまう場合もあるかと思いますが、これはいったいどういうケースでしょう?
簡単に言ってしまうと、デザイン、ショップ機能、管理システムすべてを自由自在に設計したいという場合です。
例えば、最近流行りのソーシャルショッピングのサイトを作ろう!という場合を想定します。
ASPのサービスですと、例えばFacebookログイン、Twitterログインの機能を標準で提供しているところはなかなかないんではないでしょうか?
(僕が調べたところでは、既存のASPサービスでソーシャルボタンを設置する機能はあっても、ソーシャルアカウントを使ったログイン機能というものは存在しませんでした。)
そうした場合に、「ないんだったら自分で実装しよう」という発想になるワケです。
ただ、イチからすべてECサイトの機能を作るということは、いくらプログラミングの技術を持っていても、個人でやるとしたら非常に骨の折れる作業であります。
特に、管理システムを作るという部分が大変で、商品管理、受注管理、顧客管理、売上管理などのシステムをすべて実装するのは大変です。
なので、たいていの場合は、ECCUBEというECサイト開発用のパッケージを使います。
3−1 ECCUBE
これはとても便利で、自前で用意(レンタル)したサーバーにインストールすることによって、ECサイトに必要な機能がほとんど使える状態になり、管理画面の生成も自動で行われます。
①ECサイトに必要な機能をECCUBEをインストールすることによって実現し、
②デザインを自由自在にカスタマイズし(HTML、CSSの知識が必要、あ、ECCUBE用のテンプレートもあるみたいです)、
③独自の機能を実装し、付け加える(サーバープログラミングの知識が必要)
これが世間一般で言われる「ECCUBEのカスタマイズによるサイト制作」というもので、ECサイトの制作会社に外注すると、開発コストの削減のためによくこの手法が使われます。
よっていくらECCUBEを使ったからと言って、受注会社がビジネスとして利用しているぐらいですから専門性のある知識であるということは間違いなく、ある程度独自性のあるECサイト開発ということになれば、初心者には難しいというのが一般的な感覚でしょう。
ただ、自分でサーバーを用意し、自分でサイトを構築していくので、なんと言うのでしょうか、「自分のお店感」みたいなものは強く感じられます。
ASPのサービスがテナントに入居する感覚であるとすれば、自社開発はお店の建築から行うようなイメージ、と言えば分かりやすいでしょうか。
ちなみに古着通販サイトUNFASHIONは、自前で開発を行っているのですが、理由としては古着が1点モノであり、商品登録の手間がネックになることが想定されたので、そこを能率的にできるようにしたかったからという感じです。
いずれにせよ、適切なサービスを選択するために、まず上記3つのうちどの分類でECサイトを制作するのか絞るというのが、良い手段であるように思います。